Giving First to Smallit / 2026.08
「作る」から 「勝つ」へ。
SMAL CORE は1年で確実に形になってきました。先週は役割の再定義も進んだと伺っています。
一方で「誰に、何で勝つのか」が定まっていないために、営業はまだプロダクトを語れません。
機能を足すのではなく、旗を立てる層 を重ねるご提案です。
プロダクト戦略層の増員
ゴールとロードマップの再定義
次の展示会から逆算
月額250万円〜
Client: 株式会社Smallit 瀬木 暁 様 / Theme: SMAL CORE 推進体制の強化 / Date: 2026.08.24
先週埋まったのは「どう作るか」の層。空いているのは「何のために作るか」の層です。
本提案は2点に絞っています。① 誰に何で勝つのか(ゴール)を、瀬木様の構想からチーム全員の言葉に翻訳すること。② それを日々の優先度判断に落とし込める形にして、田中様・劉様の新しい役割が機能するようにすること。この2つが揃わない限り、機能を足しても前には進みません。
1 この1年で、本来どこにいるはずだったか
「進んでいない」のではなく、「向かう先がずれたまま進んでいる」というのが私たちの見立てです。
はじめに、批判ではなく事実の整理としてギャップを共有させてください。
2025年11月のワークショップで描いた絵に対して、2026年8月現在の位置はこうなっています。
観点 本来のあるべき姿(2026年8月時点) 現在地
プロダクト
展示会に出せるデモがある。「製造業の未来はこうなる」を体感してもらえる状態。
本番開発に入り、個別機能の実装と品質改善が進行中。デモとして見せられる形にはなっていない。
営業
デモを軸に営業活動を開始。実証実験パートナーを募集できている。
「SMAL CORE の話は一旦やめて、受託SIの話にしよう」という判断が営業サイドで出ている。
ロードマップ
ステージが定義され、今どこにいて次に何が必要かが全員に見えている。
MS1 に実装漏れ/逆に作り込みすぎた箇所が混在。現在地の共通認識がない。
チーム
「これを売ってください」と開発から営業へ言える熱量がある。
作っている機能が何の役に立つのかを、メンバーが自分の言葉で語れる状態にはなっていない。
資金
補助金期間内に営業の入口を作り、その先の投資判断ができている。
補助金終了後にこのプロジェクトがどう続くのかの絵が描けていない。
途中で起きたこと: 2〜3月時点では v0 ベースのデモ環境があり、あの延長でモックを磨けば展示会には十分間に合ったはずでした。そこに実顧客の案件が入り、本番開発へ舵が切られた。判断としては自然です。ただ結果として「未来を見せるもの」を作る線が消え、「個別課題を解くもの」を作る線だけが残りました。
直近の動き — 先週の戦略会議について: 田中様がPM(プロジェクト管理)に集中し、劉様が仕様リーダー兼技術リーダーを担う。戦略会議は課題共有・情報交換の場として再定義する。この整理は大きな前進だと受け止めています。本提案は、この新しい役割分担を置き換えるものではなく、機能させるための補完 として組み立てています。
2 なぜギャップが生まれたのか
個々のメンバーの能力や意欲の問題ではありません。3つの構造が噛み合った結果です。
先週の役割再定義で、PM の層と仕様・技術の層は埋まりました。
それでも残る構造が3つあります。
PROBLEM 01
勝ち筋が定義されていない
誰と戦い、誰を幸せにするのかが共有されていません。
甲子園で優勝すると決めたが、何勝すればいいか、誰が何番を打つかが決まっていない状態です。
PROBLEM 02
ロードマップ=現在地がない
ステージ1から18まで進めば次の面に行ける、という尺度がないため、今どこにいるかが誰にも分かりません。
優先度も「この機能がないと成り立たないから」という機能都合で決まり、
プロダクトが向かう道筋の尺度になっていません。
PROBLEM 03
「何のために作るか」を決める層が空いている
先週、PM・仕様・技術の3役割を整理されました。ただこの3つはすべて「どう作るか 」の層です。
「何のために作るか 」を決める層は、依然として瀬木様お一人のままです。
加えて全員がフルリモート・拠点分散で、言いたいことが言えないまま進んでいる面もあります。
3つは独立していません — 悪循環になっています
flowchart LR
A["勝ち筋(ゴール)が 定義されていない"] --> B["優先度が 機能都合で決まる"]
B --> C["作っているものの 意味を語れない"]
C --> D["自分ごとにする 手がかりがない"]
D --> E["進みが遅い/ 抜け漏れが起きる"]
E --> A
ここは強調させてください: 大義名分が用意されていない中で動いているチームは、むしろ受け手側です。一番ジュニアなメンバーに「何のために作るのか」を自力で見つけろと求めるのは酷です。用意するのは経営の仕事であり、そこが今空いています。チームの側は、先週ご自身で役割を見直されたように、動く力は十分にお持ちだと見ています。
このまま進めた場合の見立て: 来年の展示会を目標に置いても、また別の理由(重要顧客の案件が入った、担当が抜けた等)で見送りになる可能性が高いと考えています。今回と同じ構造が残っているためです。加えて、補助金が終わったタイミングで「このプロジェクトは何だったのか」という空気がチームに広がるリスクがあります。そうなると採用・定着への影響も出ます。
3 打ち手は2つ。私たちは A を推奨します
「人を入れて引っ張る」か、「チーム自身が旗を立てられるようにする」か。前者を主、後者を従とします。
PLAN A / 推奨
推進役を入れて、前に進める
プロダクト戦略を担う人材とエンジニアを弊社から増員し、勝ち筋の定義・ロードマップ運用・優先度判断・実装までを一体で支えます。
手も動かす前提です。
効きます。 ただし推進役に依存する体制になるリスクは正直にお伝えします。だからこそ B を併走させます。
PLAN B / 併走
チーム自身に旗を立ててもらう
合宿・ワークショップで、目標を「自分たちで決めた目標」に変えます。
瀬木様の想いを、瀬木様が語るのではなく、メンバーが自分の言葉で翻訳できる状態にします。
本質的です。 ただし人の意識を変える打ち手なので、時間がかかり、確実性は A より低くなります。
なぜ A を主に置くのか: 先週の再定義で PM と仕様・技術の担い手は決まりました。残るプロダクト戦略の層を担えるのは、現状では瀬木様お一人です。そして瀬木様はこのプロダクトだけを見ているわけにはいかない。ここが埋まらない限り、PM も仕様リーダーも「何に向かって管理するのか」が定まらないままになります。
B を切り離さない理由: 先週、戦略会議を「課題共有・情報交換の場」として再定義されました。運用としては正しい判断だと思います。ただ裏を返すと、戦略そのものを決める場が、今どこにもありません 。日々の会議体とは別に、腰を据えて旗を立てる場が要る。それが合宿・ワークショップです。A だけだと推進役が抜けた瞬間に元に戻るため、この2本立てを提案します。
4 ご提案する体制
先週決まった役割の上に、空いている層だけを重ねます。既存の役割は動かしません。
flowchart TB
subgraph SML["株式会社Smallit"]
S["瀬木 暁 様 代表・PO"]
TN["田中 様 PM(プロジェクト管理)"]
RY["劉 様 仕様リーダー 兼 技術リーダー"]
BIZ["事業・営業サイド 深川様・小室様ほか"]
DEV["開発チーム"]
end
subgraph G1["株式会社Giving First"]
G["全体統括:橘田 拓也"]
T["技術統括:鈴木 択実"]
P["プロダクト戦略 / PO支援 藤根 氏(増員)"]
E["エンジニア 松尾 氏(増員・50%稼働)"]
end
S --- G
S --> TN
TN --> RY
RY --> DEV
G --> P
G --> T
T --> E
P -.->|勝ち筋・優先度の共通言語| TN
P -.->|売り筋の吸い上げ| BIZ
E -.->|実装稼働| DEV
この図で一番お伝えしたいこと: PM は田中様、仕様・技術は劉様のままです。私たちが重ねるのは、その上流にある「何のために作るか」の層 と、劉様が仕様側にシフトされる分の実装の手 です。役割は重ねません。
役割 担当 担うこと
全体統括
橘田 拓也(G1st)
瀬木様との意思決定、事業サイドとの接続、進行全体の責任。現行から継続。
技術統括
鈴木 択実(G1st)
アーキテクチャ・開発方式(仕様駆動開発の型)の担保、技術判断のレビュー。
プロダクト戦略 / PO支援(増員)
藤根 氏
本提案の中核。 勝ち筋の言語化、ロードマップとステージ定義、優先度基準の設計、事業サイドとプロダクトの接続。※ プロジェクト管理は田中様のロールです。藤根氏は上流の材料を用意し、田中様が管理しやすい形に翻訳する役割を担います。
エンジニア(増員・50%稼働)
松尾 氏
実装稼働。劉様が仕様・レビュー側へシフトされる分、開発の手が薄くなる部分を埋めます。エンジニアリングとPMの両方が分かるため、藤根氏と二人三脚で動けます。
藤根 氏について: NEC でエンジニアとしてキャリアを開始、アクセンチュアでコンサルタント、その後事業会社で新規事業開発を担当。直近で独立された30代半ばの方です。エンジニアリング・コンサルティング・事業開発の3つを一人で往復できる希少なタイプで、まさに今回必要な「開発と事業の間を埋める推進役」に適していると考えています。方向性にご賛同いただけましたら、面談の場を設定させてください。
5 最初の90日でやること
機能を作る前に、旗を立て、現在地を確定させます。
ゴール(勝ち筋)の再定義
瀬木様へのインタビューから着手します。なぜこの構想に至ったのか、将来どうしたいのか、メンバーにどんな思いで取り組んでほしいのか。
そのうえで、ターゲット・競合・提供価値を文章と数字に落とします。
汎用プラットフォームにした先に何を実現したいのか、ここを曖昧にしたまま次に進みません。
事業サイドの本音を引き出す
深川様・小室様を交えたセッションを設けます。「何が売れるのか」「誰に売るのか」を、一番顧客を見ている方の視点から言語化する。
深川様が売れる自信を持てるものは何か。ここが決まらないと、開発の優先度も決まりません。
田中様のギャップ整理を、ロードマップの形に変換する
田中様が着手されている「現状と目標のギャップの整理」を、私たちが引き取るのではなく、
その結果をステージ定義とロードマップの形に変換する ところを担います。
「ドキュメントは多数あるが、どれが正確か分からない」という課題にも、ここで正本を一本立てることで答えます。
同時に、優先度の基準を「機能都合」から「プロダクトが向かう道筋」に付け替えます。
全員で旗を立てる合宿(名古屋・1泊)
事業サイドと開発サイドの合同で実施します。目標を「与えられた目標」から「自分たちで決めた目標」に変える場です。
招集された、という気持ちで来ていただくと効果が出ないため、事前に大義名分を共有する段取りまで含めて設計します。
冗談を言い合える関係を作るところまでがゴールです。
次の展示会から逆算した開発へ切り替え
「完成しているので売ります」ではなく「製造業の未来はこうなるはずです、一緒に試させてくれる会社を探しています」を伝える展示にします。
そのために必要なのは完全に動くシステムではなく、未来が伝わるデモです。何を作るかがここで決まります。
明日からでも始められます: 田中様と瀬木様の1対1を高頻度で進められると伺いました。そこで扱われる「現状と目標のギャップ」は、まさに STEP 3 の入口そのものです。ロードマップの型と質問リストを私たちからお出しすれば、明日の1on1がそのまま第一歩になります。
6 3ヶ月後に目指す状態
判断基準は「メンバーが自分の言葉でプロダクトを語れるか」です。
BEFORE / 現在
役割は決まったが、向かう先が決まっていない
優先度が機能都合で決まる
営業がプロダクトを語れない/話題に出さない
現在地が誰にも見えない
補助金終了後の絵が描けていない
戦略を決める場が会議体の中にない
AFTER / 3ヶ月後
全員が「誰をどう幸せにするか」を語れる
優先度がロードマップ基準で決まる
開発から営業へ「これを売ってほしい」と言える
ステージで現在地が共有されている
展示会→実証実験→受注の道筋がある
戦略を決める場と、共有する場が分かれている
AI についての補足: タスク分解や進行管理に AI を活用する取り組みは有効です。ただし AI は作業を速くしてくれても、目的そのものは作ってくれません。誰を幸せにしたいのか、どのドメインで勝つのか。ここは人間側で決める必要があり、本提案が担うのはまさにその部分です。
7 スケジュール(初回3ヶ月)
開始月に旗を立て、2ヶ月目から開発の向きを変え、3ヶ月目で展示会に向けた形を作ります。
タスク
1ヶ月目 前半 1ヶ月目 後半
2ヶ月目 前半 2ヶ月目 後半
3ヶ月目 以降
瀬木様インタビュー/勝ち筋定義
事業サイドセッション
ロードマップ/現在地の可視化
チーム合宿(名古屋・1泊)
優先度運用・開発推進
展示会デモの設計・制作
継続/見直しの判断ポイント
※ 次回展示会の時期が確定次第、そこを終点に置いて全体を引き直します。開始時期は貴社のご都合に合わせて調整可能です。
8 費用
増額分のほぼ全てが、プロダクト戦略層と実装稼働の増員です。
SMAL CORE 推進体制強化プラン
月額 2,500,000円(税別)
最低契約期間:3ヶ月〜/都度見積り・追加費用なし
プロダクト戦略 / PO支援(増員)
勝ち筋の言語化、ロードマップとステージ定義、優先度基準の設計、事業サイドとの接続。
エンジニア 50%稼働(増員)
実装稼働。劉様が仕様側へシフトされる分の開発の手を埋めます。
全体統括
瀬木様との意思決定、事業サイドとの接続、進行の責任。
技術統括
アーキテクチャ・開発方式の担保、技術判断のレビュー。
ワークショップ・合宿
企画・事前段取り・当日ファシリテーション・後続フォローまで。
可視化・レポーティング
ロードマップ、現在地、進捗、判断ログの整備と週次共有。
撤退・見直しの判断材料もセットでお出しします: 3ヶ月目に継続/見直しの判断ポイントを置きます。投資を続ける価値があるのか、スコープを絞るべきか、止めるべきか。判断できる材料を揃えることまでを私たちの責任範囲とします。赤字を垂れ流し続ける形にはしません。
正直にお伝えすること: 現行から金額は上がります。ただし現行の延長線上では、来年も同じ話をしている可能性が高いと考えています。増額分は「機能を多く作るため」ではなく、「向かう先を決めて、決めた通りに進める人を置くため」の費用です。ここにお金を使う価値があるかを、本日ご判断いただきたいと思っています。
9 次のステップ
本日は方向性の合意までいただければ十分です。
本日:方向性のご判断
Plan A(推進役の投入)を主軸に進めることの是非。ご懸念があればこの場で伺わせてください。
〜9月上旬:藤根氏との面談
オンラインで顔合わせの場を設定します。人物を見ていただいたうえでの最終判断で構いません。
〜9月上旬:事業サイドセッションの日程確保
深川様・小室様のご都合を押さえさせてください。「誰に売るか」をこの場で開けます。
9月中:合宿の日程・場所の確定
名古屋開催・1泊を想定。参加メンバーへの事前共有の段取りも含めて設計します。
9月〜10月:契約・稼働開始
開始時期は貴社のご都合に合わせます。次回展示会の時期が決まっていれば、そこから逆算して調整します。
最後に: この1年、私たちは「ご要望を伺って形にする」立場で関わってきました。今回ご提案しているのは、その立場を変えさせていただきたい、という話です。お伺いを立てるのではなく、「こうすべきです」と申し上げ、瀬木様に「それは違う」と返していただける関係。そこまで責任を持たせていただければ、このプロダクトは前に進むと考えています。